執拗な上段への攻めに俺のガードが上がる。

 そこを狙って彼女が踏み込む。

「もらった!」

 少女の右ミドルが俺のわき腹を狙う。

 ……が俺は、すでにそこにはいない。

 ミドルキックが、ほんの少し前まで俺がいた場所を通り過ぎる。

「なっ消えた?」

 少女が驚愕の声を挙げる。