そして、目の前で緊張したように目を瞑っている馨の顔を見つめ直す。
幼さを残しながらも、その白い肌に際立つ凛とした目鼻立ち。
色付いた頬に震える長い睫毛、梅の花弁をのせたかのような唇。
その全てがそこらの女の数倍の色香を醸し出していて。
一つ一つが目に映るたび病かと思うほど跳ね上がって仕方ない心臓に苦笑しながら、歳三はゆっくりと馨の小さな瞼に唇を落とした。
右瞼、左瞼の順にそっと触れる唇。
こんぺい糖が口の中で消えるように甘く溶けてしまいそうな熱い感覚が二人を支配する。
思わず漏れた熱の籠もった吐息は果たしてどちらのものなのか。
唇が離れると同時に開かれ絡まる二人の視線。
それが歳三には嬉しくてたまらない。


