「…いや、なんでもねぇ…」
見えない結論にもやもやしながらも、歳三は何でもないと惣次郎から視線をそらし思考を切り上げる。
正直なところ、これ以上歳三の頭で考え事を抱えることは不可能に近い。
馨のことだけで歳三の頭の要領は限界値に達しているのだ。
今度聞けばいいよな…
ぐるぐると様々なことが巡り頭を抱えたい気分になっている歳三。
それを無理矢理抑え己を納得させると、周平の待っている部屋へと足を向ける。
先を歩いていた勝太の顔には緊張が顕著に表れていた。
「……怒られちまう、かな」
頼まれごとを果たせなかったのだから仕方がない。
怒鳴られるのも覚悟の上だ、と歳三は二三度深呼吸を繰り返してから周平との対面に臨む。


