「明!」
後ろから友達の声がする
振り返ると友達は男の子と一緒にいた
「私、彼氏ができたんだ~。これからデートだから、バイバイ」
「えっ、ちょ、待って!」
友達は遠くに行ってしまう
「ま、待って・・・!」

「・・・き」


「姉貴!」

弟の遊佐の声で起きる
「遊佐・・・?」
「姉貴、目覚ましなってるのに起きなさすぎ」
「げっ、もうこんな時間!?」
「起きないのがいけないんだよ」
明はベットから飛び起きると急いで洗面所で顔を洗い、寝ぐせを直し、歯を磨く
「姉貴ー、純先輩、来てる」
「え、香川が?」
香川純。幼馴染
「待ってって言って」
「はいはい」
遊佐はめんどくさそうに返事をする



「ごめん、遅くなった!」
「紫岡明、遅刻」
「ちょ、なんでメモ取ってんの!?」
「俺が遅刻しても文句言えないようにするために」
「・・・性格悪くない?」
「気のせいだよ」
香川はあくびをする
「ふぁー。眠・・・っ」
「あ、桜、咲いてる」
近くの公園に桜が咲いていた
「そいえば、香川と出会ったのって、桜が咲いてた時だよね?」
「・・・そうだっけ」
「そうだよ!確かだけど」
「確かって・・・」
香川は走り出す
「ちょ、待ってよ!」
「明も走れよ!」
香川の横姿が大人っぽく見えた

そいえば、今日、変な夢見たな・・・
友達は皆、彼氏できたのに私だけぽつーんと置いてかれる夢・・・


「明!」
学校、今日は短縮で学校の終わりが早い
「早く部活行こうよ」
「あ、葵か・・・。うん、行こうか」
「そいえば、今日、新入生たちが仮入部する日だったよね?」
「仮入部?」
「ほら、体験入部して最終日に入部するか決める奴」
「あぁ、そいえば今年からなったんだっけ」
「そぅそぅ、アンケートであったほうがいいっていう意見が多かったしね」
「じゃ、行こうか」


「面!」
なぎなたの振り返し面を打つ
「こら、紫岡、なぎなた曲がってるぞ。おまけに姿勢も正しくないしな」
「は、はいっ!」


私はこんな平凡な日々がいつまでも続くって信じていた・・・