『萌香に触ってんじゃねぇよ!』 消え入るような声で、懇願する。 「放、して」 頭に血が上った彼に、萌香の声など届かない。 「放してやれ、痛がってるだろ」 雷の腕を掴み 引き剥がすと、「大丈夫か?」 萌香を引き寄せ、そっと撫でた。 「ぅん...」 やさしいなぁ、誰だろこの人。