その声に、哀しみの連鎖から呼び戻された。 「雷」 不安に満ちた瞳で見上げる彼女を、撫でてたしなめる。 「萌香、お前さぁ」 怒られるっ 「はい」 「弁当間違えただろ...」 あっけらかん と言われ。 「ぇ...嘘、ごめん」 鞄を開けると 女子高生が食べるには、大きすぎるお弁当箱が入っていた。 何も言わず無言で、そのお弁当箱を受け取る兄。