城西さんとの電話を切って、改めて思うことがある。
どうして、小柳さんと別れたことを私に話し、傷を癒せと言ったのか。
どうして、小柳さんと別れたのに、あんなに楽しそうだったのだろうか。
あの男とは、関わりあいにならないほうがいいかもしれない。
直感的にそう思った。
「あ。早苗、大丈夫かな」
毛布かけてあるけど、寝相悪そうだからなぁ。
部屋の中は、そんなに寒いわけじゃないけど、寝てると冷えるからね。
毛布蹴飛ばして服捲くれてたら風邪引いちゃう。
そっとドアを開けて、早苗の様子を覗いた。
……案の定。
服の中に手を突っ込んでお腹丸見え、毛布蹴っ飛ばして布団からはみ出てる。
おまけに、でっかいいびき、と……。
こんなんだから、彼氏と長続きしないのかも。
なんて勝手な想像をしながら、足音を忍ばせて早苗の服を直して毛布を掛ける。
安らかな寝顔を見ながら、ふと不安になる。
「こいつと、合コン行ったから色々大変なことになったんだ」
早苗のいびきで自分でさえ声が聞こえにくかったけど、そう呟いた。

