「ら~か~ら~男なんてもんは結局女の体目当てなの」
「早苗ったら…」
お酒も浸透しはじめた夜11時半。
早苗はろれつも大分回らなくなってきて、何言ってるのかわからなくなってきてる。
だからの「だ」が「ら」になってるし。
そんな早苗を見て苦笑いするしかない。
「でねぇ。……って聞いてる、恋歌!?」
「はいはい。聞いてますよ」
私は割とお酒には強いので、酔うことはなく、酔っても早苗みたいに乱れることはない。
「でねぇ、ホントに男ってのは___」
さっきからずっと"男ってのは"しか言わない。
どこまで男に未練があるんだか。
早苗も、最初はこんな合コン好きじゃなかったのにね。
いろんな男にヒドい振られかたしてきたから、男なんてってのが酔うと口癖のように口を突く。
普段は、男の子大好きって感じだけど、心開いてる相手と2人きりとかだと、不安が一気に押し寄せる。
だから、ずっと男なんてとか男ってのはとか言っちゃうんだ。
早苗も少し、男嫌いなとこあるのかも。
じゃなかったら、こんなうちとつるんでないよね、きっと。

