とりあえず、薪坂さんがうちまで迎えに来ることは確かなわけで。


我に返って着替えをしようと立ち上がる。


そこでふと、ソファの側に置かれた袋に目が行った。


「あ…これ…」


昨日、如月さんの家で着替えたときに来てた服。


いつの間に……。


「って、今はそれどころじゃない!!」


なんとなくだけど、彼はすごいスピードで来そうな気がしてる。


一応、デートになるんだよね。


女の子らしい服を選んで急いで袖を通す。


髪形を整えて、メイクも施す。


準備完了、と息をつけば、グーとお腹が鳴って朝ごはんを食べていないことに気づいた。


……。


どうしよう。


たぶん、もうすぐ薪坂さんが来る。


食べてる時間ない。


「うん、どっか寄ってもらおう」


それしかないなと納得して、ソファで彼を待った。