「ん~・・・・・・」


まだ、うじうじしてる。


いや、うじうじって表現が正しいのかはわかんないけど。


「何ですか!?」


ちょっと勢い付いて問いただすと、諦めたようにフっと息を付いて口を開いた。


「明日、暇?」


「は・・・・・・?」


全然、予期してたのとは違う質問で戸惑う。


「もし暇ならさ、一緒にご飯でも、と思ったんだけど」


こっちの雰囲気にはお構いなしで自分の用件をスラスラと喋る如月さんは、やっぱりお金持ちの品格があるよね。


・・・・・人のこと考えてないとことか。


「どう?ダメかな?」


「えっと・・・・・・ゴメンなさい。明日は予定が・・・」


ホントは予定なんてない。


けど、男の人とご飯行くなんて、御免だもん。


「そっかぁ。残念だな。じゃ、また今度ね」


ホントに残念そうな口調で言って、如月さんは電話を切った。