どうしてこの人たちは、こんなにもキスが上手なんだろう。
一瞬で身体中の力が抜けていくもの。
カクカク足が震え出して倒れそうになれば、如月さんはちゃんと腰を支えてくれる。
……その仕草にすらドキッと音を立てる心臓はどうかしてる。
「…んっ……」
最後に軽く下唇を甘噛みされてゆっくり離れる如月さんの顔は、妙に妖艶で。
「ヤベっ、止まらなくなるとこだった」
ペロッと自分の唇を舐め取りながら囁かれて、心臓は破裂寸前。
「なんかお腹減っちゃったな」
「え…あ、そう言えば…」
何事もなかったかのように自分のお腹に手をやりながら言われて、自分もお腹が減っていることに気付く。
「そうだ。恋歌ちゃん、なんか作ってよ」
まるで名案だとでも言いたげな目で、見つめられるけど、あたしはポカンとするしかない。
「は……?」
「料理。作れるしょ?」
当たり前みたいな顔で聞きますけど…。
そりゃ、独り暮らししてる身としては、多少料理くらいできなきゃまずい。
「え…えぇ、少しなら」
戸惑いつつ返せば、すごく嬉しそうな笑顔をする。
「じゃあ決まり!!恋歌ちゃんの家行こう」
「え、ちょ、え…?」
されるがままに腕を引かれて車に乗せられた。

