2人の間に見えない火花が散って、間に挟まれた私は身動きが取れずにいる。
交互に2人を見ながらあわあわする私を見て、如月さんがため息を吐く。
「洸季。手、離して」
呆れと諦めを含んだ口調なのに、声はいつもより低い。
「いやだね。秀弥こそ離しなよ。恋歌ちゃん困ってるでしょ」
「困ってるの分かってんなら、お前が離せ」
いやいやいや……。
なんですかこの押し問答は。
私を取り合ってるんですか。
頭の中で突っ込んでみて、なんだか恥ずかしくなった。
「恋歌ちゃん」
「は、はい!?」
急に声をかけられて思わずうろたえる。
「恋歌ちゃんはどうしたい?」
いつもちゃんと他人の事を考えられる如月さんは、さっきより柔らかくなった雰囲気で聞いた。
「いや、どうしたいって……」
この場合、どっちって答えたって気まずい気がするんだけど。

