驚いて固まっていると、影はゆっくりと近づいてくる。
「れーんーかーちゃんっ」
楽しそうな嬉しそうなオーラを巻き散らした影から声が聞こえて顔をあげる。
「ま、薪坂さんっ!?」
そこにはぱあっと顔を輝かせた薪坂さんが立っていた。
ちょうど如月さんと重なるようにして立っているから、奥の彼の様子は全く見えない。
「何、してるんですか…」
驚きを隠せない私をよそに、薪坂さんは私の腕を取ってずんずん歩く。
「ちょ、ちょっと…」
躓きそうになりつつ真っ直ぐ歩いているのに付いて行くと、案の定如月さんの前に来る。
「何してんの、洸季」
「ん?見ての通り、恋歌ちゃん奪いに来た」
「残念ながら恋歌ちゃんは今、俺とデート中だから」
言い切った如月さんは薪坂さんに捕まれてない方の腕を取る。
「ちょっと!!痛いですっ…」
両側から引っ張られてどうしたらいいのか困惑してしまう。
「だから、こうやってわざわざ断り入れに来たんでしょ」
しれっとした顔で薪坂さんは言ってのける。

