おばあちゃんが亡くなったときは、それほどショックを受けなかった。
たぶん、病気で入院生活が長かったからでいつその日が来てもおかしくないって心構えがあったから。
だけど、大好きで大切な人を亡くすっていうのは、何度経験しても悲しくて辛い。
「……私、もう…大事な人が自分の前から消えて行くなんてやなんです……。
お母さんもお父さんもおばあちゃんも、みんな私を置いて行きました。
だからせめて、如月さんは…みなさんは、私の側にいてほしいんです…」
下を向いたまま、震える声で伝えれば、ふわっと温かく包まれた。
「……」
「如月……さん…?」
彼は何も言わず、ただギュッと私を抱きしめていてくれた。
それが妙に安心感を与えて、落ち着かせてくれた。
この人に抱きしめられると、私は平常心に戻れる。
この人が大丈夫って言うと、本当に大丈夫な気がする。
お金持ちだからって、高級車に乗ってるからって、普通の人間と違うと思ったら大間違いなんだ。
この人は、こんなにも人間的で暖かい。
ちゃんと人を気遣えて、どうすればその人にとって一番いいことなのかが判断できる。
とってもとっても、優しい人だ。

