ポロポロと零れ行く涙がベンチに染みを作る中、私の頭の中は両親が死んだ日を思い出していた。
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中3の夏。
いつものように学校に登校し、友達とわいわいやっていると、担任が血相を変えて教室に飛び込んできた。
「宮沢さんっ、すぐに私立病院へ行ってください!!ご両親がっ……」
「え……」
担任の言葉を最後まで聞かず、そのまま学校を飛び出した。
何度も転びそうになりながら、病院へ駆け込めば、ロビーにおばあちゃんが座っていた。
「恋歌…」
「おばあちゃんっ。お母さんとお父さんは!?どうしたの!?なんで病院なんかにっ…」
おばあちゃんに掴みかかって、すごい剣幕で問いただした。
「落ち着いて聞いて、恋歌。
お母さんとお父さんは2人で買い物に出る途中、トラックと接触事故を起こしたの。2人ともガラスの破片が刺さったりで出血がひどくって…
…もう、助からないって……」
言い聞かせるように、ゆっくりした口調で言ったおばあちゃんの言葉を理解するのに、不思議と時間はかからなかった。
「そんな……」
ガクッと膝から崩れ落ちた私を、おばあちゃんは慌てて支えてくれた。
病室に連れられて行けば、綺麗な顔をしたお母さんとお父さんがベッドに寝ていた。
そう、まるで寝ているかのような穏やかな表情で、死んでいた。
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