如月さんは何事もなかったかのように話しかけてくるけど、正直私の心臓は破裂しそう。
妙に色っぽく、艶っぽい声だった……。
キスされた場所が他の所より熱いのが分かった。
他愛のない話をしていても、真っ直ぐ目を見ることなんてできなくて、しどろもどろになりながら返事をした。
「……着いた」
車が静かに止まって、如月さんが言葉を発せば、藤野さんがドアを開けてくれた。
「ありがとうございます」
恐縮しながら車を降りて、顔をあげた先に広がっていたのは___
「わ…綺麗……」
「俺の家の土地だから、この辺は誰も来ないよ」
町が一望できる高い丘の上だった。
奥に町が見えて、手前側には花が沢山生えている。
この辺一帯の丘はすべて如月財閥が持っているものだと知ってはいた。
半分くらいは開放されていて、一般人も自由に出入りすることができる。
所有者意外立ち入り禁止区域があることも知っていて、たぶん私がいるこの場所はその区間だろう。
早苗と、前に来てみたいねと話していたこともあるから、すごく嬉しかった。
「今日なら天気もいいし、抜群のコンディションだと思うよ」
丘に置かれたベンチに腰掛けながら、如月さんが笑いかけた。

