「ってぇ・・・」


そう言った春瀬にはいつもの優しさなんてなくって、ただ怖い獣のような目をしていた。


「やっ・・・」


また手を掴んでベッドに引きずり込もうとするから、手を払って出口に向かって駆け出した。


もう、二度と・・・あんなやつ知らない!!


もう、二度と・・・男なんて要らない!!


--・・・・・・--・・・・・・


「・・じゃ、それから男の子と付き合ってないの?」


「ぅうん、3ヶ月くらいは平気だったんだけど、3人目の人だったかな?がまた春瀬と同じような人で・・・またそんな人に引っかかった自分がイヤになったのもあって・・・」


早苗は、心配そうに私の顔を覗き込む。


「辛かったね・・・」


こういうときは、早苗ってすっごく優しいお姉さん的な存在なんだ。


早苗の胸元に顔を埋めて、大きくため息を尽き、静かに泣いた。