若干、さっきの発言を取り消したくなったけど、そんなこと言えないから黙って待つ。
「俺とデートしてよ」
「え…」
「やだ?」
首を傾げて、なんとも色っぽく聞かれたら、否定なんかできなかった。
「い、いやじゃ……ないです…」
お礼だから。
そう、お礼だもん。
1日デートするくらい、簡単なことじゃん。
妙に緊張している心にそう言い聞かせた。
「良かった。じゃあ、早速行こうか」
「え?今日ですか?」
よっと立ち上がった如月さんに、目を丸くして聞くと、もちろんと答えが返ってきた。
「まだ10時だから。たっぷりデートできるでしょ」
「あの…でも、着替えてないし」
自分の格好を見下ろして、訴えかければ、ハハッと笑った。
「ここどこだと思ってんの?如月財閥の家だよ。服なんか山ほどあるから」
そう言って、私を立たせると、腕を取って部屋を出る。
大きな扉の前で立ち止まって、ガチャっとノブを回せば、あたり一面服だらけの部屋が出てきた。

