紅茶の入ったカップを傾けて、ふーっと息を吐いた。
せっかく皆さんに心を開けそうになったのに、どうして出てくんのよ……。
もう忘れさせてほしいと願えば願うほど、春瀬の顔が浮かぶ。
また、男の人が怖くなりそうな不安に駆られて、もう一度ため息を吐いた。
再びケータイが震えて、メールが入ったことを知らせる。
だるい体に鞭打って、ケータイに手を伸ばして開いてみると、3件も通知が来ている。
「同時に…?」
首をひねりつつメールを開けば、そこには、
″薪坂洸季″
″卿渓心次″
″如月秀弥″
3人の名前。
きっと心配してメール入れてくれたんだ……。
彼らの優しさに涙が出そうになったとき、また1通メールが入る。
「誰…?」
知らないアドレスに戸惑った。
件名もなく、きっとアドレス変更かなんかのメールだろうと思い当たって開いてしまった。

