電話を切ったあと、台所へ移動して、お湯を沸かす。
カップに紅茶のティーパックを入れて、ボーっと待つ。
カチッと音がして、お湯が沸いたことをポットが知らせる。
カップにお湯を注いで、両手で抱えるようにしてソファへ移動する。
深く腰掛けて紅茶を一口飲んで、ふーっと息を吐く。
早苗にはああ言ったけど、もう二度と春瀬が私の前に現れない確証なんてない。
大学はばれてないと思うけど……。
考えれば考えるほど、どうしたらいいのかわからなくなる。
可能性を見出せば、また恐怖が這い上がってくる。
あの夢は、何を表してる?
″俺は本気で好きだったのに″
そんなの、私に好きだって言ったときの顔を見たらわかったよ。
″なんで拒絶した!?なんで俺の前からいなくなった!?″
どうしようもなく、怖かった。
もう、体目当てだとしか思えなくなって、春瀬が怖かったんだ。

