付き合いだしてそろそろ半年を迎えようとしたころ。
「ね、早苗。
早苗って、卿渓くんと付き合ってるんだよね?」
クラスの友達にそんな質問をされた。
「え?……うん、そうだけど…」
なんだか悪い予感がして、彼女を連れて隅っこによる。
「どうかしたの?」
問いかけると、彼女は言いにくそうに視線を泳がせた。
「あんまり気使わなくていいよ」
優しく言うと、ちょっと安堵したような顔で彼女は口を開いた。
「あのね、昨日……、街で卿渓くんを見たの。
…女の子と一緒だった」
頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けたように、一瞬目の前が真っ暗になった。

