「ハー。おっかしかった」
大分落ち着いて、階段に腰掛けながらお腹をさする。
……腹筋痛いの。
「ったく…あんなに笑うことじゃねぇだろ、なんも」
「だって、あんたの慌て方可笑しかったんだもん」
思い出したらまた笑えてきた。
「あのなぁ…。まぁいいや」
なにか諦めたように心次は髪を掻き上げた。
「それより堤のことだけど。なんでキスしたりしたんだよ」
「なっ!?そこまで見てたの!?」
もうなんだか開き直ったような態度で髪を掻き上げたまま私の顔を覗き込む。
あまりにも綺麗な顔で、かっこいい仕草をするからドキッとしちゃった…。
「……なんで?どーして?」
「いや…なんか、あまりにも可愛かったから……」
どうしてか分からないけど、心次の目をまっすぐに見れなかった。

