ギュ......


怖くて、思わず春瀬に抱きついた。


昨日の春瀬なら優しく受け入れてくれただろうけど、今日の春瀬はどこか違ってて・・・。


そっと私の腕を掴み、自分の腰から離した。


「春・・瀬?」


「学校じゃ、他人の振りしてよ」


早口に、まくし立てるように春瀬は言った。


どうして-・・・・・・?

どうして・・・。


「その代わり、家じゃいくらでもくっ付いていいからさ」


怪しげな笑みを浮かべて春瀬は言う。


「なっ・・・!!」


誰がお前なんかに引っ付くかっつーのっ!!


さっき春瀬に抱きついたことは棚に上げて顔を真っ赤にさせて怒る私ってきっと素直じゃないんだなぁ。


「ま、そゆことだから」


これから学校では他人ね、ってもう一度言い残して春瀬は私の前から消えた。