5分も待たずにきれいにラッピングされたマーガレットの束を持った城西さんが出てきた。
「お待たせ」
その言葉と同時に、城西さんはその場に片膝をついた。
「えっ…」
戸惑う私の左手を優しく包んで、自分の口元へ運ぶ。
「ちょ、城西さ……」
伏目がちな彼にドキッとしながらも、首をかしげていると、彼は右手に持ったマーガレットの束を私に差し出した。
「これ、私に…?」
さらに戸惑いの色を浮かべた私に城西さんは変わらず微笑んだままで、優しく頷いた。
「マーガレットの花言葉は、″真実の愛″」
「真実の…愛」
私がマーガレットを受け取ったことを確認すると、彼はすっと立ち上がった。
「俺から、早苗ちゃんへのプレゼント。
忠誠を誓って、永遠に愛し続ける。
早苗ちゃんに、″真実の愛″を、教えてあげる」
キュッと私を抱き込みながら、彼はそんな甘い言葉を囁いた。

