つかつかと迷いのない足取りで彼が進んだ先にあったのは…。
「……マーガレット…?」
「そう」
きれいなマーガレットが赤、白、黄色、オレンジ、ピンクと5色並んでいる。
「マーガレットの花言葉、知ってる?」
色とりどりの花を見つめながら、彼は私に問題を出した。
それぞれの色を5本くらいずつ掴んで、そのままレジへと運ぶ。
「ありがとうございます。……プレゼント用で?」
「うん、お願い」
紺のエプロンをつけた、人当たりのいい中年のおじさんが奥で花を包んでくれている。
お花独特の匂いにそろそろ頭がクラクラしてくる。
そんな私に気づいたのか、城西さんは外に出ているように示した。
ちょっと躊躇ったけど、お言葉に甘えて外で待つことにした。
城西さんがお花屋さんでマーガレットを買った意味もわからないのだけれど。

