-----------------------side早苗
恋歌と別れた私は、浮足立つとはこのことを指すんだというくらいウキウキとした心で駅前へ向かっていた。
昨日、恋歌からあの告白をされたときはびっくりした。
城西さんが小柳さんと別れてまで、私を好きだと言ってくれていること。
それをわざわざ恋歌に伝えたこと。
でも、私は如月さんへの想いが破れて、傷心気味でもあったし、本当は城西さんとのデートもどうしようかって悩んだ。
″運命の人だって思った″
だけど、その言葉が嬉しくて。
城西さんにはもともと好印象を持っていたこともあったし、恋歌が後々恨まれてもかわいそうだと言うことで承諾した。
当日になってみると、こんなに楽しみにしていたんだと自分でも驚くほど。
正直言うと、恋歌ばっかりモテてずるいなって思ってた部分もある。
私が如月さんを好きって気持ちに気づいてて、あのデートのときも、恋歌なりに気を使ってくれたのかもしれない。
それでも、如月さんはずっと恋歌を見てた。
ずっと如月さんを見てた私には如月さんがどれくらい恋歌を好きなのか、痛いくらい伝わった。

