その横顔は、夕日をバックにどこか寂しそうな表情だった。
「ぅうん、そんなことない・・・・・・」
気づくと、私はこんなことを言っていた。
「えっ・・・!?」
私の言葉に体ごとこっちを向いて驚きを表す言葉を発した。
「迷惑なんかじゃ・・・・・ないよ」
・・・知らないうちに、春瀬に恋心を抱いてたんだ。
あんなに嫌いで、あんなにウザかった春瀬が今はどうしようもなくカッコよく見える・・・・・・。
恋は、どうして人をこんなにも変えてしまうのだろう-・・・・・。
何度も、そう思った。
思わず、俯いた私に、春瀬は驚くほど優しい口調で語った。
「俺さ、始めて見たときから、ずっとお前のこと好きなんだ。・・・一目ぼれっての?」
ちょっと頬の辺りを赤く染めながら春瀬は告白したんだ。
「俺と-・・・付き合ってくんねぇ?ってか、付き合え」
命令口調なのは、照れくささを隠すためだって思ったから、あえて触れずに、私は春瀬の顔を見ながらそっと微笑んだ。
私の微笑みが、OKなのか、断るってことなのか春瀬には分からなかったらしく、戸惑いの色を顔に浮かべた。

