ケータイが震えて、開いてみると早苗から。
4つほど靴の写真が、″これ、可愛くない!?″ ″これは、ちょっと派手かな…?″ などコメント付きで送られてきた。
早苗のおすすめでいいよ、と返して思わず微笑む。
なんか早苗、メールでまで楽しそうなんだけど。
うらやましい限り。
……自分もいい加減、ちゃんとしなきゃいけないのかな。
薪坂さんに如月さん、卿渓さんたちとはもう一度会って、真剣に考えてみなきゃいけのないかな…。
そういや、それぞれともう一度会わなきゃいけない用事あるんだっけ。
薪坂さんには今日の午後、退院祝いっていうか…で会って。
如月さんには服お返ししなきゃいけないから、会って。
卿渓さんには告白の返事するために会って。
…こんなこと考えるなんて、大分成長したんだよな、自分。
「恋歌~!!買ってきたよっ」
楽しいを体全体で表現しながら早苗は靴が入っていると思われる袋を顔の前にかざした。
「あっ。ありがとう」
袋を受け取って、中を確認するとなんともかわいい早苗好みの靴が入っていた。
「完全に私の趣味なんだけど」
「いいよ、別に。かわいいじゃん」
などと話していると先生が教室に入ってきて、それぞれ席に着いた。

