「私は、城西さんが好き。まだ、ちゃんとした確信は持ててないけど、きっと私は城西さんが好き。
優貴恵には悪いけど、城西さんを優貴恵に渡すつもりなんかないから」
……なんたる爆弾発言。
でも、早苗の中ではもう確固たる決意があることは確か。
それを私が邪魔するわけにもいかないし、邪魔する気もない。
いつも私を応援してくれてる早苗を、今度は私が応援しなきゃ。
「小柳さん。早苗の言うとおり。
もう、城西さんには新しい人がいるんだから、小柳さんも新しい人見つけなよ。
小柳さん可愛いし、独占欲強くて自信家なとこ直せばきっと、もっといい人見つかるから」
私たちの言葉を聞いた小柳さんは、私たちを睨みながら反対側の靴箱にもたれかかった。
「真咲よりいい人なんて……いるわけないじゃない……」
半分自己嫌悪気味になった彼女はそう言葉を吐いて、よろよろと玄関から出て行った。
「……早苗、大丈夫…?」
小柳さんが出て行ったのを確認した後、早苗はフーッと息をついた。
「ん…。ちょっと、びっくりしただけ」
そう言って、私の靴箱へと戻る。
「これひどいね。…これじゃ、さすがに外出れないよね」
「うん、ホントだね。どうしようかな」
二人でまたずたずたの靴を見て立ち尽くした。

