小柳さんの目から大量の涙があふれ出た。
「だってっ……。悔しいじゃない…。
私のどこがいけないの!?真咲のためにいっぱい努力したんだよ、私!!
それなのに…ほかに好きな女ができた、なんて……」
グスグスと泣き始めてしまった小柳さんに、さらに厳しく言い放つ。
「城西さん言ってたよ。
あいつは独占欲強くて、自信家で、とにかく面倒くさいやつだったって。
小柳さんがどれだけ頑張っても、一度離れた心は戻ってこないってことだよ」
なんかもうイライラしてきた。
こういうタイプの女って、男じゃなくても嫌いだわ。
「……真咲…」
彼の名前を呼びながら、彼女はうずくまる。
「……新しい男、見つければ?城西さんが後悔するくらい、いい男をさ。
優貴恵。今日、私城西さんとデートしてくるんだ」
急に早苗が口を開いたと思ったら、衝撃的な言葉を吐いた。
せっかく私が言わないでいたのに…。
「早苗!?なに言って……」
私が言い終わるより早く、小柳さんの体が動いて、早苗の胸ぐらをつかむ。
「ふざけんじゃないわよっ!!なんで早苗なの!?
なんで、早苗なんか……」
呆然としながらも突っかかって行った小柳さんの腕をつかんで、自分から離した。

