そんな小柳さんを呆然と眺めるしかない私たち。
「ちょっと待って、小柳さん。……どういう意味?」
私が小柳さんから城西さんを奪った?
まったくそんな記憶ないんだけど。
「はぁ?まだとぼけ通す気?」
泣き崩れた小柳さんがキッと下から私を睨む。
「あんた、昨日真咲とデートしてたじゃないっ!!私ちゃんとこの目でっ___」
「ちょっ!!小柳さん……。小柳さん、勘違いしてるよ」
城西さんが好きなのは、私じゃなくて早苗だもん。
そっか。
だから……。
私と城西さんのデート現場を目撃してるから…。
小柳さんは、城西さんの好きな人が私だと思い込んでるから、私を恨んでこんなこと……。
「勘違い、ですって?」
「そう。城西さんが好きになったのは、私じゃない。
私じゃないの…」
小柳さんを見つめて、真剣にそう言うと、小柳さんの顔は驚きの表情へと変わる。

