見た目は茶髪で、耳にピアスしてる思いっきり不良くん。


見た目同様、性格もチャラってて、喋り方だって気持ち悪い。


そんな春瀬に、なんでか私が目を付けられた。


高校に入学した時点で、お互いに存在は知ってたけど私はコイツとは関わらないことにしよう、って決めてたのに・・・・・・。


春瀬と初めて喋ったのは、班長を決めるとき。


掃除のときとか、先生に報告をしに行くのが班長の役目。


それを春瀬は私にやれと言った。


私は班長なんて面倒な仕事、死んでもやらないと意地を張った。


春瀬は、そんな私の態度を気に入ったのか、次の日からやたらとくっついてくる。


私は春瀬から逃げ回るように駆け足で廊下を渡る。


授業だって今までろくに出てなかったのに、私にくっつくようになってからはちゃんと出るようになった。


理由を尋ねると、春瀬は笑って、


「んなもん決まってんじゃん。お前と少しでも一緒にいたいからだよ」


って言った。


まともに人を好きになったことなんてなかった私に、春瀬の言葉は心に突き刺さった。


こんな優しい微笑して、頬が熱くなるような言葉を吐いて、私の心を一突きにした春瀬は、その後「ごめん、迷惑だよな」って顔を逸らした。