とっても嬉しそうな顔をしながら、出てきた料理を食べている城西を見ていると、なんだか虚しくなってきた。
もう何年も恋なんてしてないから、恋の仕方も、城西さんみたいな顔も忘れてる。
せっかく男嫌いが治ってきても、恋できなきゃ意味ない気がする。
3人も私みたいな人を好きだって言ってくれてる人がいるんだから、できないことはないよね。
「でさ、恋歌ちゃんはどうなの?」
でさ、ってなんですか。
「どうなの、って……?」
「ん~、恋のほうは?…あ、恋歌ちゃんって、男嫌いなんだもんね」
そんな質問をしてから、ちょっとまずいと思ったのか、城西さんは小さく呟いた。
「え、なんで知って…?」
「優貴恵が言ってたから、合コンのあと」
なるほど…。
「どうって言われても……。男嫌いはだいぶ治ったんですけどね」
独り言のように呟いた私を見て、城西さんは優しく笑った。
「じゃ、大きな進歩だね。これから見つければいいんだよ。男なんて五万といるからね」
また頬杖をつきながら、優しい目で、優しい表情で、優しい言葉をかけてくれた。
同じように微笑み返して、大きく肯いた。

