その通りの一角にある、ちょっと大人びたレストラン。
城西さんには、似合いすぎるくらい似合う。
身を縮めながら席について、オーダーは城西さんに任せっきりでお店の中を見回す。
意外と、私たちと変わらないくらいの年のカップルが多いんだなぁ。
「ねぇ、恋歌ちゃん」
オーダーを済ませて、一息ついたところで城西さんが頬杖をつきながら口を開いた。
……か、カッコいい…。
思わずドキっとしてしまうようなポーズ。
「な、なにか…?」
思わず返事につまづいてしまうほど城西さんの姿は眩しくて。
まだ心臓がバクバクしてる。
「俺が優貴恵と分かれた理由、話したっけ?」
唐突に何を言い出すかと思いきや……。
そういえば、他の3人が食事の誘いだったにも関わらず、城西さんだけ小柳さんと別れたっていう報告が初電話だったっけ。
「いいえ、聞いたことないですけど…」
そんなに小柳さんとの別れ話を私にしてどうしたいんだろう、この人は。
「まぁ、単刀直入に言うと、俺に好きな人ができたっていうのが1番だよね」
聞きもしないうちから、城西さんは頬杖をついた状態で話を始めた。

