映画館のある通りには、いろいろなお店が連なっている。
その1つの文具店の前で城西さんは立ち止まった。
「どうかしました?」
「……ここ入ろう」
何かほしいものでもあったのだろうか。
城西さんはドアを開けて、中に入った。
このお店、初めて入ったかも。
中を見回して見ると、かわいらしい装飾で、そんなに広くはない。
店員さんもレジにいる人だけ。
城西さんは迷うことなくキーホルダーの並んだコーナーへと歩みを進める。
「これ、かわいくない!?」
また迷うことなく城西さんはかわいらしいくまのキーホルダーを手に取った。
「か……かわいいですね…」
ちょっとどもったのは城西さんの見た目と手にしたキーホルダーのかわいさのギャップから。
でも、確かにかわいい。
白いくまの首には、青いバンダナとピンクのバンダナを巻いたのがいる。
城西さんは、それぞれ1つずつ取ってレジへと持っていった。
……それ、どうするんだろう。

