そして放課後。
今日は授業が3つしかなかったから、1日が早く終わったように感じた。
帰り際に何人か友達に誘われたけど、ちゃんと断った。
中には、カラオケ行こうとか、断るのを躊躇うような誘いもあったけど、そこはなんとか良心で乗り切った。
城西さんとの待ち合わせ時間は、2時半。
今から待ち合わせ場所に向かえばちょうど間に合うくらい。
なんとなく本当のデートみたいな気分になってくるのは、放課後っていう雰囲気と学校帰りっていうシチュエーションのせい。
ちょっと足早に歩きながら、待ち合わせ場所へと急ぐ。
15分ほど歩くと、お店が見えてきた。
「いるかな…」
小さくそう呟いて、お店のドアを開ける。
「恋歌ちゃん!!」
ドアを開けると同時に、店内にそう声が響き渡った。
私ももちろん、お店にいる人たちはみんなびっくりして声のしたほうに振り向く。
声の主はもちろん、城西さんで。
にこにこしながら手を振ってるから、お店の人たちは城西さんから私へと視線を移す。
「すみません…」
そう呟きながらテーブルの間を抜けて、奥に座った城西さんの迎えに腰を下ろした。

