ポカンとしたまま動かない私を、早苗は震え上がるくらいの目つきで見た後、こう言った。
「なんで、私より先に恋歌が知ってるわけ!?それはまだ100歩譲っていいとして!!
それを教えてもらったあとすぐ、私に教えてくれないわけ!?」
……。
早苗、怒るとこおかしいと思うんだけど。
そんなこと、私に言われても困るし。
「いや……ごめん」
ここでなにか言い返したら、ますます早苗の目は怖くなりそう。
だから、大人しく謝ることにした。
「ごめんじゃなくて!!……まぁいいけど。これからは、ちゃんと教えてよ?」
途中で、こんなに怒ってる自分に呆れたのか、早苗はまたいすに座った。
「了解しました」
敬礼してみせて、ホッと息をつく。
早苗って怒らせたら怖いんだよねぇ……。
まだちょっと怒ってる様子の早苗を見て苦笑する。
子供っぽいとこあるんだから、まったく。

