そう……。
私が、早苗に無理やり連れられて合コンに参加させられたお店。
こんなところにあったんだ。
「あれっ?」
気づいたら卿渓さんの姿はもうお店の中。
急いでお店のドアを開けて、卿渓さんに追いつく。
「……こちらです、どうぞ」
店員さんが案内してくれた席は、窓から綺麗な夕焼けが見えるところ。
「わ……」
思わず、声を上げてしまった。
こんなに綺麗に夕焼けが見えたこと、ないんだけど。
「さ、座って?」
卿渓さんに促されて、席に着く。
合コンに来たときの雰囲気とはちょっと違うお店の感じ。
メニューを見ても、何がなんだか私には理解できなくて、卿渓さんにすべてを任せた。
それより、ここって相当お金かかるんじゃない?
ムードもへったくれもないけど、現実的にはお金のこと考えなくちゃ。

