とりあえず、ご飯食べちゃおうということになって、食べ続ける。


たまに、卿渓さんが面白い話をしてくれて、2人で笑いあう。


なんだか、普通に早苗とやることなのに、相手が変わると充実感がある。


というか、男の人とこういう風に話せてること自体が進歩だし、今までじゃあり得なかったこと。


私、少しずつ変わってきてるかも。


そう思ったらちょっと嬉しくなっちゃって、何も関係ないところで微笑んでいた。


「え、俺、なんか変なことした!?」


自分が笑われてると思ったのか、自分の周りときょろきょろする卿渓さんを見て、さらに笑ってしまった。


「え……。え?」


めちゃくちゃテンパってる。


「……かわいい」


「え?」


「え?」


卿渓さんの「え?」は、私が言ったことに対して。


私の「え?」は、何も言ってないですよっていうおとぼけ。


「今、かわいいって……」


「い…言ってないですよ」


自分、素直じゃない…。