「いや、いいんだよ。これから段々打ち解けてくれたらいいんだし」
「あ……そうじゃなくて…あの…」
男の人との付き合いが少ないせいか、どう言っていいのかわからない。
「とにかくっ、卿渓さんが話し難いとか、そういうんじゃないんでっ」
しどろもどろで、目は泳いでる。
でも、これが私の誠心誠意というか。
男の人の誤解の解き方とか知らないから。
「……ならよかった」
また。
卿渓さんの笑顔って、なんでだろう、輝いてる。
あんまり、私の好きそうなタイプじゃないと思ってたけど、笑顔は嘘つかない。
本当の卿渓さんは、とってもいい人なのかな。
「俺の顔、なんかついてる?」
じっと見つめすぎた…。
「あ…。いえ、全然…。はい」
なんでこんなにあたふたしてるのか、自分でもわかんないけど、心臓がドキドキいってるのがわかる。
急に、卿渓さんがとっても可笑しそうに笑った。
「え…」
私は、驚いてその光景を見てたけど、つられて一緒に笑ってしまった。
なんとなく、空気が和んで、私の緊張も解けた。
