「…い、いでででででで…」
「だからどけてって言ったのに。」
かるーく、かるーくだよ?
手首ひねり挙げました
ぱっ、と手を離して自由になった体を
こきこきならした
「おまっ…女のクセに握力半端ねぇな」
「ふんっ。なんなら一発勝負してみる?」
「…遠慮する。負けんの目に見えてっから。」
そういや遼平ってば負けず嫌いだったっけ
負け試合は自分から逃げるんか
「じゃーな、俺まだ練習あっから」
「おけーい。月曜から部活出るからよろしく」
「ほーい。」
遼平はひらひらと手を振って
体育館の中に戻っていった

