「あら、悠馬おかえり。」
「ん、ただいま」
ヒョコッとキッチンから
お母さんが覗いた
「そうだ、賢悟くん
夜ご飯うちで食べていく?」
「夜ご飯……あーっ夜練!!」
「夜練?」
「うん、7時から毎日あるやつ!」
「って、あと30分じゃん」
「だから、すみません!
今日は失礼します!!」
「そう?気をつけて行っておいでね」
「はい!」
賢悟は「ごめんね、優月」といって
ほっぺに軽くキスすると
父さんの雷が落ちる前に
「おじゃましましたー!!」と
叫んで家を飛び出していった
「あんの小僧……!」
「へーぇ…姉ちゃんもやるじゃん」
うちの男どもが後から
しつこく言っていたのは黙っておこう…

