どうしよぉ…。
今まで連れていかれた中で会話ゼロ…!!
気まずいしぃ…。
「あのさ…。」
「は、ハイッ…。」
いきなり話しかけられて驚くアタシ。
「まず…、あんたの名前は?」
あ、あんた…?口悪くない…デスカ?
「え…と…、野田杏里…ですけど…。」
名前を言って…どーするんだろ…。
「ふーん。杏里ね。」
イキナリ呼び捨て!?
「ぁ、アナタのお名前は?」
「んー、俺?」
ぉ、オレっ!?僕じゃなくて…!?
顔に似合わない…ッ!!!
「俺は古屋大地。」
「じゃ、じゃぁ、大地クン…!」
「あ?大地でいーよ、杏里。で、何?」
杏里って呼び捨てだよぉ~…。
口、こんなにワルいし…!!!
「ぁの…、ここに連れてきた理由は…」
「んー、名前聞くため。」
…ハイ?ナマエ?
「・・・え?」
「いや、教室で聞くと目立つじゃん?だから…。」
え、いやいやいや…。こっちの拉致る‥じゃなくて
連れてく方がじゅーぶん目立つでしょ…?
「…あー、そうですか。あたしはもぅ帰っていーですか?」
「ん、えー。」
えー、って。えー、ってなにさ。
「もぉ、ホント帰りますんで!!瑠那1人にさせておけないし…」
「わかったよ、バイバイ。」
そう言って大地という美少年はアタシの前をスタスタ歩いて行った。
