「おっはよーんッ!」
教室に響く元気そうな瑠那の声。
「瑠那、おはよ。」
あたしは笑顔でかえした。
「今日の笑顔は何か違う…」
…うッ。鋭いな…。
「別になんでもないよ?気のせいでしょ…気のせい…。」
あたしは苦笑いで瑠那に言った。
瑠那はそーお??という表情でこっちを見ている。
そんなトキ、瑠璃があたしに向かって言った。
「あっ!杏里ッ!王子サマだよ!!!」
「…は?王子サマってナニ…。」
一瞬でわかった。
ドアをちょうど通ったばかりの人。
そう。
―――あの美少年だった。
…は?
なんか、その人が…
どんどんコッチに来てるような…気が…するんです…ケド…。
「あの…ちょっと。」
アタシは混乱して言葉が出ない。
「ちょっと…!杏里に言ってるんだよ?」
瑠那がそっと耳打ちをする。
それでも言葉が喉に詰まってでない。
「ふ…ぇッ…!?」
いきなり腕を引っ張られ、アタシはその美少年につれてかれた。
た、助けて…!!!
瑠那あぁ――――!!!
