「君、大丈夫だった?絡まれたりしてない?」



お巡りさんの声にはっとして、慌てて大丈夫ですと答えた。

そっか、傍から見れば絡まれているように見えたんだ。



「気をつけて。あの少年ここらじゃ有名な悪ガキだから。」

「えと、あの…はい。」

「それにしても、何があったのこれ。」



これが指すのは、伸びている男達。

直樹の、チクらないでという忠告を思いだした。



「わからないです。私が来た頃には、このようなことになっていましたので…」



私の言葉を鵜呑みにするお巡りさん達。

この外見が役に立つときがあったんだな。

それから色々状況について聞かれたが、私が何も知らないことを知るとさっさと切り上げた。



「それじゃあ、くれぐれも気をつけてね」

「はい」



去って行く彼らに軽くお辞儀をして、家に帰った。



直樹が、頭から離れない。