あの頃の私に足りていなかったものは、自信だったのだと思う。


それからというものの、私は確かに変わった。

髪色は校則で仕方ないにして、まず大きく変わったのは服装。

全くの無頓着だったから、クローゼットにはおしゃれと言える服は一着もなくて。

服を買いに行くとき直樹はどんな感じが好きなんだろうって考えた結果、
あくまで憶測に過ぎないけどガーリーで少しセクシーな路線になった。

悪く言えば無難でありがちなミーハー。
よく言えば小悪魔系。

少し露出の高い、女の子らしい服装。


そして、うっすらお化粧もできるようになった。

爪はピカピカに磨いたり、ペディキュアをしてみたり。

肌は勿論、髪もケアして。

確実に普通の女の子になっていっていたと思う。


しかし学校では、いつもの地味な格好。

変わった私を知られるのが怖かった。

変だとか馬鹿にされたり、笑われたりするんじゃないかって。

未だにスカートを折る勇気がなかった。


直樹の前では大胆でも、プライベートでどんなに変わっても、結局私は「赤城さん」。

臆病で弱くて、半ばパシリにされていて友達ゼロの。



ほら、やっぱり何も変われちゃいない。