「じゃあ…適当にあっちの校舎の二階に来て」 「あっち?って…え、先生!?」 それだけ言ってスタスタと歩いて行ってしまった。 あっちの校舎って今は誰も使ってないんじゃなかったっけ? しかも二階は教室が荒れてて撤去寸前だとか。 そんなところになんで? …意味不明。 「大沢ちゃん、頑張って♪」 「やだ。行きたくない」 「わがまま言わないの~」 栞はよしよしと私の頭を撫でた。 それはもう子供をあやすかのように。 このよしよしから離れたくなーい。 ずっとこうしててほしい。