電話を切って、トイレから出る。 ……よし。 グッと気合いを入れ デスクに戻る。 「あら槇原くん。 スッキリした顔してるわね? 彼女、怒ってなかった?」 隣のデスクの菊池さんの言葉を聞きながら 資料に目を通す。 営業部の説明や、残業などのことが詳しく書かれていた。 「怒ってたどころか…… びっくりしたよ。」 「え?」 呟くように答えると、菊池さんは首を傾げた。 .