やっぱり…結婚させられるんだ。
ごめんなさい、啓飛…
「では……真っ直ぐ歩いてください。」
またもやニコニコしているお姉さんやお兄さん。
…あたしなんか、こんなに沈んでるっていうのに。
ギィィッ……
重々しく開けられたドア。
ゆっくり前を見ると…
「っ……」
今までに見たことないような髪型で、格好で
いつもの笑顔を向けてくれる
誰よりも愛しい人がいた。
「っ、け……啓飛っ…?」
うそ……
うそでしょ…?
びっくり。なんてもんじゃない。
夢 としか思えない。
何が起こっているのかは、自然に緩む頬と
滲んでくる涙が教えてくれる。
あたしは……
啓飛のお嫁さんになれるの?
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