“ブーー” 映画が始まる知らせの音と共に明かりが消されていく。 しばらくしてようやく映画が始まった。 気づいたら、由紀と私はスクリーンにくぎ付けになっていた。 そして主人公の運命が決まる重要な場面にさしかかる時、 私は隣から聞こえる雑音に気が付いた。 “ガァー!ガァー!” それは拓也のいびきであった。 私はたまらない怒りに襲われ、 拓也の腹に渾身の一撃を放った。 ウッっという声と同時にいびきは消えた。 私の目は再びスクリーンに戻された。